9.21.0018

大好きな本

『アップルサイダーと彼女』 片岡義男著 角川文庫 昭和54年

大好きな作品であり、僕の原点ということにしたい作品である。もう20数年も前から何度も何度も読み返している。
この本は、片岡氏がポパイなどの雑誌に載せた文章を集めて一冊にしたもの(のはず。。。)で、アメリカ、オートバイ、波乗りなどについて書いてある。どの話もとてつもなく楽しい。
アメリカ、豊かな懐の深い個人がしっかり自分の足で立っている(立たざるを得ない)国アメリカ。明るく新しくダイナミックなアメリカ。自動車がすっごくかっこよいアメリカ。
情緒でなくドライで、根回しではなく議論で、水割りではなくカクテルで。
うーん、かっこいい。
たとえ、家族間でも適切な距離をたもち、不必要に自分の領域に入ることをゆるさず、そこに入ろうとしたものには容赦なく反撃をする。
自分のことは自分で決める。
とてもとても憧れた。

オートバイに乗ることを決めたのも片岡氏の作品「幸せは白いTシャツ」などを読んだからだ。
オートバイに乗ることが基本的にどういうことか教えてくれたのが氏の作品だった。情景が目に浮かんだ。右に左にリーンする、排気音がこだまする、チェンジを適切に切り替える、タイアの感触を楽しむ、日差しが真上からむき出しの腕に刺さる。
自由で危険なオートバイ。自制心と技術が常に要求され続ける乗り物。

この本はいろいろなことを教えてくれた。

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